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楽理科?音楽文化学専攻-音楽学

◆学科?専攻概要

 楽理科は、音楽研究の学である音楽学(西洋音楽史、日本?東洋音楽史、音楽民族学、音楽美学など)を研究?教授し、将来、音楽の学問的研究およびそれに関連した仕事にたずさわる人材の養成を目的としています。

 本学科が設置されたのは、東京音楽学校(1887年創立)が東京藝術大学音楽学部になった1949(昭和24)年ですが、東京音楽学校の前身である音楽取調掛(1879-1887)は諸音楽の調査研究を事業の柱とし、当時の伝習科目には実技の他に「本邦及欧洲音楽史」「音楽理論」が含まれていました。また、東京音楽学校のカリキュラムにも「音楽史」「音楽理論」「審美学」などが置かれ、音楽の歴史や理論?哲学的側面にかかわるこれらの科目がすでに音楽の専門教育に不可欠のものであったことがわかります。学科名に冠した「楽理」という語は、当時まだ「音楽学」という語が一般に馴染みがなかったために、声明の世界で古くから用いられてきた語をあてたものといわれています。学科設置時は、西洋音楽史と音楽理論を中心としたカリキュラム構成でしたが、時代の変化にしたがって音楽民族学や日本?東洋音楽史の専門科目が追加され、幅広い視点や方法で音楽に対峙する現在の教育研究体制が整えられました。

 現在の楽理科の授業内容は、音楽学専門科目の講義?演習を中心に広く音楽の各分野にわたり、外国語の習得も重視されています。また、音楽の実技や音楽理論も必修とされ、本学の特色である音楽の実践に密着した研究が要求されます。

 なお、楽理科の大学院教育(修士課程?博士後期課程)は、音楽文化学専攻の音楽学研究分野として行われます。

>>楽理科?音楽文化学専攻音楽学 公式Webサイト

◆カリキュラム

 楽理科および音楽文化学専攻音楽学研究分野の教育研究体制は、つぎの三講座からなっています。

 第一講座 - 音楽美学、音楽民族学
 第二講座 - 西洋音楽史
 第三講座 - 日本?東洋音楽史

○カリキュラム(学部教育)

 楽理科では、さまざまな音楽を通じて人間の営みや世界について考え、さらにそれを社会に向けて発信することのできる幅広い人材の育成を目指しています。そのため学部教育では、学生自身の主体性を尊重しながら、音楽と音楽学に関する視野と見識を広げること、音楽を学問的に研究する方法を身につけること、問題意識を一つの研究として構成し表現する力をつけること、に重点をおいた教育指導がなされています。また「実践に根ざした研究」にとって各種実技の習得は不可欠であり、さらに外国語の習得も重視されています。

 専門分野として、①西洋音楽史、②日本音楽史、③東洋音楽史、④音楽美学、⑤音楽理論、⑥音楽民族学、の6つが設定されており、専門科目は各専門分野に対する講義、演習、実習の組み合わせから構成されています。音楽学の各分野をカヴァーすべく体系的に用意された多数の専門科目群は、本学科の最も大きな特色です。

 なお、2年次末までの段階で、所定の単位数を修得し、かつきわめて優れた成績を挙げた者については、学部を3年で卒業する途が開かれています。

■1年次、2年次
 音楽学の各分野に関する基礎的な知識、研究の技法、および音楽学の学習に必要なスキルと教養を広く身につけます。上記6分野に関する概説、初級演習、各種講義、及び実技のほか、共通科目として外国語科目、一般教養科目、専門基礎科目を履修します。

■3年次
 より専門に特化した講義、演習を中心に履修します。音楽学実習(個別指導)が加わり、卒業論文執筆の準備を始めます。夏には楽理科研究旅行があります。

■4年次
 卒業論文の完成を目指して、研究関心に応じた専門科目等を履修します。教員免許を取得する者には教育実習が加わります。

○カリキュラム(大学院教育研究)音楽文化学専攻音楽学

 修士課程の学生は、第一講座(音楽美学?近代音楽/音楽民族学)、第二講座(西洋音楽史)、第三講座(日本?東洋音楽史)のいずれかの研究室で研究にあたり、修士論文を作成します。必修科目として、自らが所属する研究室が開設する「音楽学演習」と「音楽学特殊研究」を2年間履修します。しかし、学生は自分の所属以外の講座に属する演習や特殊研究も履修することができ、また一定の範囲内で学部開設科目を受講することもできます。

 博士後期課程では、学生は修士課程と同じく各講座に所属しますが、より高度な研究テーマに対応するために、講座の枠にとどまらない集団指導体制がとられます。テーマによっては、音楽学専攻以外の学科の教員、あるいは学外の専門家の協力を得ることもあります。学生は「博士特別研究」の単位として、1年次には総合ゼミナールでの発表、博士1年次論集への執筆、2年次には博士コロキウムでの発表が義務づけられているほか、学会等での研究発表、学会誌への投稿が強く奨励されます。年1回以上開かれる指導教員会議では、こうした学生の自主的な研究活動に対する評価と今後の研究への指針が与えられます。これらの過程を通じて、博士の学生は独立して研究活動を行うための能力と見識を培い、博士論文の作成に至ります。

○その他(国際交流、留学生の受入れ、卒業後の進路など)

 楽理科卒業生の進路はきわめて多岐にわたっています。音楽教育、ジャーナリズム、芸術文化団体、音楽ソフトの制作?販売などのほか、一般企業や官公庁にも及んでいます。作曲家、演奏家として活躍している人もいます。大学院修了生の多くは、各地の大学や研究機関で音楽学の研究?教育に従事しています。

 世界各国からの留学生を積極的に受け入れていることも、楽理科および大学院音楽学専攻の大きな特色の一つです。2024年度には計9ヵ国?22名の外国人留学生(交換留学生、研究生、大学院生、特別研究学生)が在籍しています。彼ら留学生のなかには演奏に秀でた者も多く、研究と実践とのよい関係を築きあげています。授業はもとより、学内外での演奏活動等を通して、日本人学生と留学生、また留学生同士の国際交流も盛んに行われています。

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