12月8日、水落文部科学副大臣が東京藝術大学を訪れ、COI拠点「産学官連携棟(Arts & Science LAB.)」を視察しました。
視察に先立ち、宮廻正明社会連携センター長から東京藝術大学COI拠点の様々な産学官連携プロジェクトについて説明がありました。障がいを持つ人々の芸術的能力の高さを感じることができる事業「障がいとアーツ」や、アフガニスタン流出文化財をはじめとした失われた文化財の復元事業、そして画家ブリューゲル作「バベルの塔」の高精細複製制作プロジェクトなどについて紹介するとともに、坂本修一文部科学省産業連携?地域支援課長、齊藤仁志科学技術振興機構副理事(産学連携事業担当)や本学関係者も交え、先進的な意見交換が行われました。
Arts & Science LAB.各施設の視察では、1階エントランスにおいて、法隆寺釈迦三尊像3D復元プロジェクトとして、鋳造した釈迦三尊像の仕上げ作業の様子をご覧いただき、国境を越えた芸術文化の共有という拠点目標の実現の意義について、宮廻センター長から説明がありました。
続いて、4階球形シアターでは、ドームプロジェクション映像を紹介し、臨場感溢れる映像表現を体感しました。半球面のスクリーンに映し出された映像を鑑賞しながら、映像分野の新たな表現方法の広がりや展望について、宮廻センター長から説明がありました。
その後、2階コンテンツ開発研究工房では、実物大のバーミヤンの東大仏天井壁画やゴッホの自画像などの「クローン文化財」を視察しました。独自のデジタル印刷技術と芸術家の手仕事によるアナログ技術の融合によって精巧な復元が可能であることや、「クローン文化財」であるからこそ作品に触れることができるとの解説があり、実際に作品に触れた水落副大臣は、見た目だけでなく質感まで復元された技術の高さに驚かれました。また、流出文化財を修復?復元して元の国へ返還することは、文化外交として重要な意味を持つとの宮廻センター長からの説明に、水落副大臣は熱心に聞き入り、東京藝術大学COI拠点の修復技術?復元技術の社会実装の可能性を確認しました。
藝大COI拠点の概要を説明する様子
原寸大の「クローン文化財」を見上げる水落副大臣(右)
ゴッホの質感の表現についての解説を聞く水落副大臣(右)
木目や凹凸まで再現されていることを解説する宮廻センター長(右)