10 月30 日付けの本学プレスリリースについて、多くのお問い合わせをいただきましたので、詳細の情報を追加的にお知らせ申し上げます。
1.ゲームコースおよび育成する人材像について
ゲームコースは、東京藝術大学大学院映像研究科の中に、メディア映像専攻とアニメーション専攻にまたがる研究室の一つとして開設されます。そこでは、ゲーム技術を用いて表現される作品の制作や研究を行ってまいります。ゲーム表現を使って、人々を感動に導く作品はもちろん、教育や医療など社会的課題を解決していくような作品など、「ゲーム」という定義を幅広く捉え直し、ゲームに多様性と可能性をもたらすことを目指してまいります。
ゲームコースは、「ゲーム技術?表現を駆使して様々な社会的課題を解決するために、芸術的?工学的能力の双方を兼備する新たなグローバル人材」の育成を目指します。「高い異文化理解度」「最新技術の活用」「未来志向の課題解決力」「芸術的表現」の4つをキーワードとして、新時代のメディアアーティストを育成し、より良いグローバル社会の実現に映像教育サイドから貢献していきたいと思っております。
2.カリキュラムについて
ゲームコース受講者は、以下のカリキュラムで学修?研究を行います。
● 修士1年次前期 それぞれの専攻(メディア映像専攻?アニメーション専攻)の中で行われる必修科目および選択科目を受講します。
● 修士1年次後期および修士2年次 上記に加え、各自の制作、研究を行います。修士1 年次、および修了次に各自のプロジェクトについての修了評価があります。
● 在学期間を通じて、適宜、ゲーム制作?研究に必要な講義や演習、ワークショップがあります。
【新たに予定している講義、演習科目など】
?国内、海外の大学等の教員やゲーム制作者、研究者によるレクチャーや演習
?ゲーム産業界の講師からのレクチャーや演習
?ゲーム開発?制作用いるソフトウェアに関する演習 など
● ゲームコースで制作した作品や研究は、専門家のみならず広く一般の方から多様な批評やフィードバックをいただけるように、ゲーム展覧会の開催やインターネット等での公表、学会等での発表などを積極的に行い、広く成果を発信してまいります。
大学院映像研究科博士後期課程映像メディア学専攻においては、映像分野の一分野としてのゲームに関する研究を深化させ、博士論文としてのまとめるための教育を行って行きます。特に博士後期課程では実制作に基づく研究を重視しており、論文発表などの学会活動と同様に、展示や上映などの創作活動を研究業績として評価しています。
3.南カリフォルニア大学(USC)とのコラボレーションについて
全米1位のゲーム教育の実績を持つ南カリフォルニア大学USC(University of Southern California)映画芸術学部インタラクティブメディア&ゲーム学科、メディアアート+プラクティス学科との連携のもと、インターネットを活用した教育を積極的に行っていきます。(注)
なお、交流学生数は、長期、短期の派遣?受け入れを合わせて、毎年度計20名程度を想定しています。
(注)文部科学省「大学の世界展開力強化事業~米国等との大学間交流形成支援~」として実施。平成30 年度から平成34 年度までの5カ年にわたる事業(予定)。
【コラボレーションの内容】
● 双方の学生は各々の作品制作や研究について、インターネットを通じUSC 教員や本学教員の指導や助言を受けられます。
● 学生は相手校で行われる特別集中講義やワークショップ等に参加します。なお、事前に必要な学習はインターネットを通じて行います。
● 東京藝術大学とUSC の学生とがチームを作り共同制作演習を実施します。
● 毎年、東京藝術大学とUSC との共同で、「ゲーム制作?研究展覧会」を開催し、そこで合同講評会を実施します。
4.「A to G」プロジェクトについて
大学院映像研究科では、平成28年から、新たなゲーム開発メソッド「A to G」の研究と開発を行っています。
A to G プロジェクトとは、Animation to Game プロジェクトの意味で、既に完成したアニメーションのテーマやコンセプト、シナリオ、キャラクターデザイン、背景デザイン、世界観などにゲームならではの要素を加えて、新たなコンテンツを開発する方法です。
大学院映像研究科アニメーション専攻では、毎年30以上のアニメーション作品をリリースし、この10年間で300作品以上をアーカイブしています。 このようなアーカイブを活用し、新たなゲームコンテンツを作り出す方法は、ゲームの世界に新しい扉を開き、さらなる多様性を生み出せるのではないかと考えています。
ゲームコースでは、引き続きこのA to G の手法に基づくゲーム制作?研究を行ってまいります。
5.その他ゲームコースの取り組みなど
● 世界的なCG やゲーム関係の国際会議?展示会(SIGGRAPH(シーグラフ、Special Interest Group on Computer GRAPHics の略。アメリカコンピューター学会におけるCGを扱う分科会。など) や日本のゲーム開発者向けの会議(CEDEC(セデェック、Computer Entertainment Developers Conference の略。ゲーム会社からなる一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会が主催する日本国内最大のゲーム開発者向け技術交流会)など)、国内外のゲーム、インタラクティブ関係の展示?イベントにも積極的に参加していきます。
● ゲーム産業界のみならず、ゲーム以外の分野との共同制作、共同研究も積極的に推進してまいります。
6.2019 年度入試について
ゲームコースは、修士課程のメディア映像専攻又はアニメーション専攻の学生が選択することができます。志望者はどちらかの専攻を選択し、受験していただくことになります(出願期間:2018 年11 月28 日~12 月4 日、試験:2019 年1 月から2 月)。
入試内容や試験の日時については、それぞれの専攻で異なります。詳しくは本学ウェブサイトに掲載されている募集要項をご参照ください。
博士後期課程の場合は、大学院映像研究科(博士後期課程)映像メディア学専攻の入試(出願期間:2018 年11 月28 日?12 月4 日、試験:2019 年1 月~2月)として行います。詳しくは本学ウェブサイトに掲載されている募集要項をご参照ください。
(参考)
東京藝術大学大学院映像研究科(修士課程)募集要項
東京藝術大学大学院映像研究科(博士後期課程)募集要項
問い合わせ先 東京藝術大学大学院映像研究科:野村 E-mail:shomu.fm@ml.geidai.ac.jp Tel:045-650-6200 |