令和5年4月5日、東京藝術大学の入学式が行われました。今年度の入学式は、「共に創るワークショップ入学式」と題し、新入生の“夢”を表現した紙で奏楽堂を彩りました。
一人一枚ずつ紙を渡され奏楽堂の客席に座った新入生たち。これから何が行われるのか、期待と不安の入り混じった表情で開式を待ちます。式次第には日比野克彦学長からのメッセージが書かれていました。
共に創る入学式?973名が今日共に藝大に入学しました。ちょっと前に973名がこの地球に生まれてきた時、あなたと972名が藝大で会うことを誰も予知はできなかったでしょう。今ここに、偶然のような必然のような不思議な人と人の出会いを実感しています。そして今からちょっと先共に創る入学式で何が起こるのか、、。私たちは予知します。973の個性は同じ体験をし、そののちひとりひとりが異なる表現をすることをそして、芸術のアートのARTsの力が共に生きる地球を創ることを?東京藝術大学長 日比野克彦 |
舞台に登場した日比野学長から、入学式ワークショップの内容が発表されました。
「みなさんいろんな夢があると思います。その夢を力にしてこの紙に穴をあけてください。夢を形にして、その形の穴をあけてください。そうやって創った夢の形を集めて奏楽堂の空間を飾りたいと思います」
道具は自分の手です。大きな穴を豪快に開けたり、紙をくしゃくしゃにしたり、小さな穴をたくさん空けて、細く切り裂き…。思い思いの夢の形が表れました。
そして新入生を代表して30名が舞台に上がり、その紙をロープに吊るします。音楽学部廣江理枝教授によるオルガンの奏楽に合わせて、さまざまな形の穴が空いた赤、ピンク、クリーム色の三色の紙が新入生たちの頭上を登っていきます。
舞台で紙をロープに吊るす新入生たち
日比野学長(左)の質問に答える新入生
ワークショップに続き、客席で学生に紛れ込んでワークショップに参加していた各学部長、研究科長、理事が紹介され、それぞれお祝いの言葉を述べました。
日比野学長は、「きっとこれから、楽しいこと、大変なこと、いろいろあると思います。でも今日、共に創るワークショップでこの時間と空間を共有した仲間がいます。世の中はまだまだ大変ですが、SDGsなどの世界的?社会的な課題に対して芸術ができることがあります。そこには必ず“芸術じゃないとできないこと”があります。それをみんなの力で、今日このワークショップを共に体験した仲間と一緒に創っていきたいと思います」とメッセージを贈りました。
新入生たちの夢がはためく奏楽堂に、祝福のオルガンが高らかに響き渡り、入学式は幕を閉じました。
日時:令和5年4月5日(水)11時より 【参列者】 【奏楽】 |