令和6年3月25日、霧雨のなか、東京藝術大学の卒業?修了式が行われました。
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式は日比野克彦学長と音楽学部河野文昭教授のパフォーマンスで幕を開けました。舞台上に登場した2人はVRゴーグルを装着し、河野教授がチェロを奏で始めます。日比野学長はチェロの演奏に合わせて両手に持ったペインティングツールを大きく動かし、VR空間に絵を描いていきます。スクリーンにはゴーグルを通した映像が映し出され、リアルとバーチャル、音楽、ペインティング、映像、パフォーマンスなど、分野を超えた芸術が織りなすハーモニーに、卒業?修了生もさまざまな反応を見せました。
曲目はJ.S.バッハ作曲《無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調BWV1007》。異分野とのコラボレーションなど、実験的な演奏が行われてきた曲です。「この曲は今から300年ぐらい前に作曲された曲ですが、その時代その時代でいろんなコラボレーションがあったでしょうね。今回、日比野先生はペインティングで視覚的なものを構築し、私は音で、バッハが書いた音形やフレーズを構築しました。共通するところがあって面白かったです」と河野教授が感想を述べました。
続いて、学位記および修了証書の授与、卒業?修了買上作品認定書の授与、そして各賞の授与が行われ、各学部?研究科長、理事がお祝いの言葉を述べました。日比野学長が掲げたテーマは「チャレンジ」です。
学部長らのメッセージを受けて日比野学長は、「自分の活動と社会がどう繋がっていくのか。その2つを二分するのではなく、その両方を考えていくことが芸術の幅を広げると思います。ひとりひとりが自分の考えを持ち、それを社会に接続すること。皆さんの4月からの挑戦に期待しています」とエールを贈りました。
閉式の奏楽はカミーユ?サン=サーンス作曲「白鳥」。この3月で退任を迎える河野教授も生まれて初めてという、ハープ3台とチェロのコラボレーションで演奏されました。奏楽堂の外はあいにくの雨模様となりましたが、晴れやかな余韻の中、卒業?修了式は幕を閉じました。
日時:令和6年3月25日(月) 11:00~12:10 場所:奏楽堂 式次第 令和5年度卒業?修了生 奏楽 |