日時 | 2014年6月13日(金) 19:00開演(18:30開場) |
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会場 | 東京藝術大学奏楽堂(大学構内) |
入場料 |
3,000円 全席自由 |
主催 |
東京藝術大学音楽学部 |
チケット取り扱い |
ヴォートル?チケットセンター チケットぴあ 東京文化会館チケットサービス イープラス(e+) 藝大アートプラザ |
お問い合せ | 東京藝術大学演奏藝術センター TEL:050-5525-2300 |
シェイクスピア生誕450 年
英国の響き
1984年、東京フィルとのヨーロッパ演奏旅行の後、BBCウェールズ交響楽団からオファーがあった。それまで英国の音楽界(演奏のみならず、作曲家にも)に興味を持っていなかった私は、丁重にお断りした。しかし、故?渡邊暁雄先生が「良いオケです。是非いらっしゃって下さい」と仰って下さった。これが僕と英国との繋がりの原点だ。BBCウェールズ響とは87年から仕事を始め、すぐに「その能力の高さ、大変良い意味での民主主義、皆がオトナである素晴らしさ!」に気づき、今ではもう長い付き合いになっている。現在でも2016年秋までの契約だ。それでも初めのうちは、苦手だった英国作品はなるべく避けていた。しかし徐々にエルガー、ブリテンなどに染まっていった。そして実に沢山の素晴らしい曲が日本では知られていないのに(自分を含めて)驚き、それらを段々と日本に紹介してきて今日に至っている。
今回の3曲は本当に素晴らしい。R.ヴォーン?ウィリアムズ(1872 ~ 1958)の《タリスの主題による幻想曲》は単なる懐古趣味ではなく、そのハーモニー、3つの形態に分かれる独特の弦楽編成から醸し出される響きに大いなる魅力を感じる。奏楽堂ではどの様に響くのであろうか! F. ディーリアス(1862 ~ 1934)の歌劇《村のロメオとジュリエット》のロンドン公演のために書かれた〈楽園への道〉。これ以上センシティブで心のひだに触れる音楽はなかなか無い。日本人の心の琴線にぴったりだ。最弱音が奏楽堂に染みいっていくことを願う。そしてW. ウォルトン(1902 ~ 83)《交響曲第1番》変ロ短調。これほどの難曲は少ない。しかし聴く者にとってはこんなに面白い曲も少ない。大変派手な面から美しいメランコリックな面までを併せ持ち、カラヤンが「20 世紀最高のシンフォニーだ!」と言ったのも当然だ。
もちろんこの3曲を一晩で演奏するのは、オーケストラにとって大変なことであることはわかっている。しかし、ここ数年、武満徹の《遠い呼び声の彼方へ!》やブルックナーの《交響曲第7番》、ブリテンの《戦争レクイエム》などで素晴らしい演奏を続けている藝大フィルなら、さぞや素敵な一夜にして下さることでしょう。僕も客席で聴きたいような演奏会です。
尾高 忠明(指揮者/東京藝術大学音楽学部指揮科主任?教授)
■曲目
R.ヴォーン?ウィリアムズ 《タリスの主題による幻想曲》
F.ディーリアス 歌劇《村のロメオとジュリエット》より〈楽園への道〉
W.ウォルトン 《交響曲第1番》変ロ短調
■出演
尾高 忠明 Tadaaki OTAKA 指揮 Conductor
桐朋学園大学音楽学部で斎藤秀雄に師事。1970年民音指揮者コンクール第2位。71年NHK交響楽団を指揮してデビュー。さらに72年からウィーン国立音楽アカデミーでスワロフスキーに指揮法を学んだ。東京フィルハーモニー交響楽団常任指揮者(現桂冠指揮者)、札幌交響楽団正指揮者?常任指揮者(現音楽監督)、読売日本交響楽団常任指揮者(現名誉客演指揮者)、紀尾井シンフォニエッタ東京のミュージカル?アドバイザー?首席指揮者(現桂冠名誉指揮者)などを歴任。87 年にBBC ウェールズ交響楽団(現BBCウェールズ?ナショナル管弦楽団)首席指揮者(96年から同団桂冠指揮者)に就任し、翌年、ロンドンの夏の音楽祭「プロムス」にデビュー以来、ヨーロッパに活動の場を広げた。2010年NHK交響楽団正指揮者、新国立劇場オペラ芸術監督、メルボルン交響楽団首席客演指揮者に就任。1991年度サントリー音楽賞、93年ウェールズ音楽演劇大学名誉博士号、97年英国エリザベス女王より大英勲章CBE、99年には英国エルガー協会より「エルガー?メダル」。今回のプログラムのヴォーン?ウィリアムズとディーリアスの作品は、「プロムス2012」でBBC ウェールズ?ナショナル管と演奏した作品である。現在、東京藝術大学音楽学部指揮科教授。
藝大フィルハーモニア(東京藝術大学管弦楽研究部) Geidai Philharmonia, Tokyo
藝大フィルハーモニアは東京藝術大学に所属するプロフェッショナル?オーケストラで、年2回の定期演奏会、声楽科との合唱定期、オペラ研究部との共演、新卒業生(各科最優秀者)の紹介演奏のほか、年末恒例の「メサイア演奏会」、「第九公演」などを行い、学生の演奏経験の拡充に資している。前身である旧東京音楽学校管弦楽団は、我が国初の本格的なオーケストラで、ベートーヴェンの《交響曲第5番「運命」》、《交響曲第9番「合唱付き」》、ブルックナーの《交響曲第7番》、チャイコフスキーの《交響曲第6番「悲愴」》、マーラーの《交響曲第6番》などを本邦初演し、日本の音楽会の礎石としての活動を果たしてきた。
※スケジュール?曲目?出演者等は都合により変更となる場合がありますので、ご了承ください。
東京藝術大学奏楽堂 [大学構内]
〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
■JR上野駅(公園口)?鶯谷駅(南口)、東京メトロ千代田線根津駅より徒歩10分
■京成線上野駅、東京メトロ日比谷線?銀座線上野駅より徒歩15分
■台東区循環バス「東西めぐりん」
【2】上野駅?上野公園 から(東京芸術大学経由)?【5-1】東京芸術大学下車[30分間隔]
※駐車場はございませんので、お車でのご来場はご遠慮ください。