9月30日、”日本人とクラシック音楽の関係“をテーマにドイツ第2テレビ(ZDF)が本学澤学長へのインタビューを行うため本学を訪れました。
欧州からの来訪者は、日本人のクラシック音楽への情熱にとても驚いており、日本の奏者や聴衆に対してとても興味深く感じているとのことで、次々と質問を投げかけていました。
熱心な彼らに対し、澤学長から、本学の成り立ちや、当時の時代背景を交えた丁寧な回答がなされました。
また、インタビューの最後には澤学長と学部4年生の岡本誠司さんとがJ.S.バッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲 第2楽章」を奏でると、インタビューアーは、その演奏に聴き入っていました。
―いったいなぜ、日本人はこんなにクラシック音楽が好きで、なぜトップクラスの奏者には日本人が多いのでしょうか
明治20年に東京藝大音楽学部の前進である東京音楽学校が設立さ
また、日本人の勤勉さと謙虚さ、
―クラシック音楽を熱心に学んでいる若者の情熱はどこからくるのですか、そして日本人は他の国の人たちよりも、ずっと注意深く、とても集中して聴いている感じがしますが...
クラシック音楽へ進む人たちやクラシック音楽のファンは、クラシック音楽の素晴らしさを実感しており、クラシック音楽の持つデリケートな素晴らしさを味わうために集中して聴きたい、ということがあると思います。そして、子どものころからのクラシック音楽を聴くときのマナーを教えていることも関係しているかもしれません。
近頃は、子どもたちによくわかるように、トークを交えながらの演奏会や学校等へのアウトリーチ活動、ワークショップなど、若い人たちのみならず多くの方々にクラシック音楽に親しんでもらおう、その良さを知ってもらおうという活動が盛んになってきているように思います。
―なぜクラシック音楽に興味を持ったのですか?
3歳のときに友人がヴァイオリンを始めたのを見てかっこいいと感じ、習いたいと思ったことがきっかけです。習い始めてからクラシック音楽に接するようになり、国内外の演奏家の演奏を聴いたりレッスンを受けたりするうちに、クラシック音楽への理解を深め、好きになっていきました。
―日本では子どもがヴァイオリンを弾くと周囲はどういう反応をしますか?
日本ではヴァイオリンやピアノなどの楽器を幼少期から弾き始めることはよくあることです。子ども向けの1/16や1/32サイズの小さいヴァイオリンもありますし、特に珍しいという印象は無いと思います。
―日本の著名な音楽家についてどう思いますか?
グローバル化が進んでいくなかで、日本の作曲家の作品が海外で演奏されるようになり、また、海外の作曲家の作品が日本で演奏されるようにもなっていくことで、双方がより近い存在になっていくと思います。
―ドイツ人をはじめとした外国人と、日本人の学生の違いはなんだと思いますか?
言語や文化が違うと、音のアイディアや歌い方の素質、曲に対する解釈などに違いが出てくると思います。また、個人的な感覚ですが、日本人は大人しく内側にこもりがちなため、よりオープンに表現できるともっと良いと思います。
私としては、外国と日本の言語や文化の違いを理解し、その中での表現を探求していきたいです。
―将来の夢はなんですか?
ヴァイオリニストとしてクラシック音楽をより多く演奏していきたいと思います。また、クラシック音楽に限らず、音楽の楽しさや素晴らしさを、演奏を通じていろいろな人たちに届けていきたいです。
また、音楽が生まれた地に実際に身をおいて学ぶことは、直に言語や文化を吸収することができ、とてもよい経験になります。これからも国内外で経験を重ね、より幅広く、深みのある音楽家になっていきたいとも思っています。